映画『バードマン』ラストの考察と解説【エンディングに隠された真実】

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大物俳優マイケル・キートンが主演を務め、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が制作した映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

本作は冒頭と最終盤の数カットを除いて、全編のほとんどがワンカットで撮影されたことで知られている。

映画は落ち目のハリウッド俳優を主人公に進むシンプルな物語だが、本作で最も視聴者の頭を悩ませたのがラストシーンだろう。

今回は映画「バードマン」のラストシーンについて、ファンが唱えた有力な説や、イニャリトゥ監督自身の見解などを紹介!

映画「バードマン」ラストシーンの考察と解説

有力な説①:リーガンは舞台で亡くなる。その後はただの夢

有力な説①:リーガンは舞台で亡くなる。その後はただの夢

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映画「バードマン」のラストについて、海外で最も有力と言われているのが「リーガンは舞台で亡くなる。その後はただの夢」という説だ。

リーガンは舞台で拳銃自殺し、その後はハッピーエンドのような幻覚(夢)を見る。

険悪ムードだった妻と和解し、ファンから再び尊敬される名俳優となり、批評家からも大きな支持を得た。

彼は自身が再び大物になったと自覚したことによって、自虐的なことばかり言うバードマンですら消えた。

しかし、病院でリーガンは自分が亡くなっていることを知り、もはや不安に縛られることなく、先へ進むことを決意。

彼は熱狂的なファンを見ながら、空へと消えた。

有力な説②:リーガンは生き延び、実際に飛ぶ力を得た

有力な説②:リーガンは生き延び、実際に飛ぶ力を得た

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他の有力な説では、何らかの理由でリーガンが実際に、スーパーヒーローのような超能力を得たことを示唆(しさ)している。

リーガンは拳銃で頭を撃ちぬき、多くの観客から支持を集めた。

彼はなんとか一命を取り留め、病院で目を覚ます。

彼は以前から自身に「スーパーヒーロー」のような超能力があると信じており、自身が再び「名俳優」として有名になったことから、自身の超能力は覚醒したと信じた。

その後、彼はそれを自身の熱狂的なファン達に見せるため、窓からその能力(空を飛ぶ力)を披露した。

このエンディングでは、映画「バードマン」の冒頭から描かれていたリーガンの超能力は、全て本物だったという前提。

彼は自分が「落ちぶれた過去の俳優」という地獄のような状況を生き延び、再び過去のように大絶賛されたことから、その力が覚醒したというヒーローチックなエンディングだ。

有力な説③:リーガンは生き延びるが、再び自殺する

有力な説③:リーガンは生き延びるが、再び自殺する

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有力とされている最後の説は、先ほど紹介した2つの説を組み合わせたものになる。

リーガンは舞台で自殺し、観客や批評家から「名俳優」として大絶賛される。

彼は以前から「自分がスーパーヒーローになれる」と心の底で信じており、病院で目を覚ました後、昔からあった自分の超能力が覚醒したと考える。

だが、リーガンは昔から軽い統合失調症を患っており、彼の「超能力」は全て妄想だった。

リーガンは何らかの理由で、何年も続いたバードマンの自虐的な声は、全て幻覚だったと気づく。

彼は再び名俳優としての地位を獲得したが、自身の状況に絶望し、病院の窓から身を投げた。

最後に病院の窓から顔を出したサムの笑顔は、リーガンが昔から望んでいた「ハッピーエンド」という結末の幻覚だった。

この解釈はかなり後味が悪いバッドエンディングだが、彼の超能力を誰も見てない点や、バードマンの自虐的な声を幻覚と考えると、不明な点が全てなくなる。

イニャリトゥ監督「バードマンにはさまざな解釈がある」

イニャリトゥ監督「バードマンにはさまざな解釈がある」

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アカデミー賞が開かれた夜、イニャリトゥ監督は本作のラストシーンについて説明した。

彼は映画「バードマン」のラストシーンについて、さまざまな解釈があるとし、先ほど紹介した3つの有力な説も全て間違いではないと語っている。

つまり、映画「バードマン」のエンディングは視聴者が決めることであり、ハッピーエンドにするのもありバッドエンドにするのもありということだ。

映画「バードマン」には違うラストシーンが存在した?

映画「バードマン」には違うラストシーンが存在した?

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イニャリトゥ監督は本作のラストについて説明した後、劇場で公開されたエンディングと、最初の脚本で書かれたエンディングは違うと語った。

監督のインタビュー

本作には違ったエンディングがあったが、撮影している途中に、それ(ラスト)が最悪だと気づいたんだ。

実際に撮影していると、映画の物語が自身で呼吸しているように感じた。

そして、キャラクターも最初の脚本では表現できていなかった、「成長」をし始めたんだ。

私はすぐにアレクサンダーニコラス(本作の脚本家)の元へ行き、エンディングを書き直した。

それは賢明な判断だったよ。

いま、私は本作のエンディングに納得しており、これがフェアだと思う。

私はあなたたちに、それ(最初の脚本で書かれたエンディング)を教えるつもりはない。

とても恥ずかしく感じ、しかもそれ(元のエンディング)はかなり悪いからだ。

イニャリトゥ監督はインタビューでこのように語り、最初の脚本で書かれたエンディングについて、語ることをためらった。

しかし、本作の脚本家であるアレクサンダー・ディネラリス・Jrは、映画「バードマン」の最初に書かれたエンディングについて全て明かした。

本作のラストシーンでは俳優のジョニー・デップがカメオ出演するはずだった

本作のラストシーンでは俳優のジョニー・デップがカメオ出演するはずだった

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脚本家のアレクサンダー・ディネラリス・Jrは、本作で最初に書かれた脚本について、次のように語った。

アレクサンダー・ディネラリス・Jrのインタビュー

映画のラストシーンで突然カメラマンが現れ、私たち(視聴者)は「バードマン」で見てきた狭い通路を通って、ある楽屋へと行く。

そこには鏡を見ながら座っているジョニー・デップがおり、彼の近くには「リーガン・トムソンのかつら」「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊のポスター」があった。

そして、彼はジャック・スパロウの声で「俺はここで何してんだ?」と語る。

それは無限ループのような展開で、次の「リーガン・トムソン」は俳優のジョニー・デップになるということだ。

最初に書かれた上記のエンディングを解釈すると、本作でリーガンが頭を撃ちぬいた後の世界は描かれない(おそらく生存している)。

映画「バードマン」で描かれたのは落ちぶれた俳優の物語であり、リーガンが名俳優となった今、次のリーガン(落ちぶれた俳優)が現れるということ。

つまり、本作で語られた「リーガンの物語」はループのように繰り返され、次に本作で描かれたような物語を体験する犠牲者は、俳優のジョニー・デップになるという解釈ができる。

映画「バードマン」ラストシーンで本当に重要なこと

映画「バードマン」ラストシーンで本当に重要なこと

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映画「バードマン」が公開してから数年の間に、最初の脚本で描かれたジョニー・デップ版のエンディングなど、さまざまなことが暴露された。

先ほども軽く紹介したが、イニャリトゥ監督は本作のエンディングについて、次のように語っている。

本作のラストシーンの意味は、劇場にある座席数と同じくらい多くの解釈ができる。

つまり、どの解釈も正解ということ。

しかし、映画の最後は「ハッピーエンド」「バッドエンド」のどちらにせよ、一番重要なことは「家族の愛」だと私は思う。
映画「バードマン」ラストシーンで本当に重要なこと

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リーガンは不完全な人物で、過去に何度も間違いをおかし、自分の人生と失敗を理解するのに必死だった。

彼の元妻であるシルヴィアが語ったように、彼はまず「愛と賞賛の違い」について学んだ。

そして、彼はサムが自分を賞賛しているのではなく、愛していることを知る。

映画の最後で彼が「生きる」「亡くなる」「飛ぶ」、これらは関係ない。
映画「バードマン」ラストシーンで本当に重要なこと

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本作のエンディングで一番重要なことは、リーガン自身が「愛されていること」を自覚したことだ。

だから、私は映画の最後で、リーガンが空に舞い上がることができたと思う。

イニャリトゥ監督が語ったように、本作でファンたちが語るさまざまな解釈は、全て間違いではない。

つまり、私がした本作の解釈も正解であり、これを否定する人の意見(違った解釈)も正解ということだ。

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