【ホラー】ファウンド・フッテージ映画の進化を、時系列で振り返ると?

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「行方不明者のビデオテープに録画されていた映像」

こういった謳い文句でストーリーが展開する手法(ホラー作品)は、ファウンド・フッテージと呼ばれ、有名な作品だと「パラノーマル・アクティビティ」などが製作されてきた。

この手法の歴史をさかのぼると1980年の「食人族」が有名であり、その19年後に製作された「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の大成功で、次第に量産されるようになった。

その後はスリラーや怪物系のSF映画などにも見られ、現在ではスカイプなどのネット上を背景に描く、ファウンド・フッテージ作品も増えている。

今回は、1980年代から始まったファウンド・フッテージ映画の進化を、時系列で紹介します。

【初期】過去のファウンド・フッテージ作品

1980年「食人族」

1980年「食人族」

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アマゾンの秘境に出かけたレポーターたちが失踪し、発見されたフィルムには彼らが食人族と出会い、残酷な結末を迎えるまでの姿が描かれたイタリア製・残酷映画「食人族」

1980年当時はまだファウンド・フッテージが普及しておらず、本作で描かれたリアルな物語は、観客らに「実際に起こった事件」だと誤解させた。

そのため監督のルッジェロ・デオダートは、故郷のイタリアで逮捕され、本作のキャスト陣が裁判所に出廷する騒ぎにもなっている。

しかし、監督が「食人族」で見せた手法は多くの映画関係者から絶賛され、業界で「ファウンド・フッテージ」という言葉を普及させた。

1999年「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」

1999年「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」

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「行方不明になった学生たちが残した映像」という設定で、魔女伝説の残る森に入った3人の学生を中心に展開するホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」

製作費は6万ドル(約637万円)と超低予算だが、興行収入は2億5,000万ドル(約265億6,748万円)を稼ぎ出し、インディーズ映画界に大きな影響をもたらした。

本作の大成功により、ファウンド・フッテージは低予算でも最高の作品を作れるとして、次第に量産されるようになった。

【スタイルの流行】2000年代のファウンド・フッテージ作品

2007年「パラノーマル・アクティビティ」

2007年「パラノーマル・アクティビティ」

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ある若いカップルの住む一軒家で起きた不気味な現象を、ビデオカメラ映像でドキュメンタリー風に演出した「パラノーマル・アクティビティ」

この手スタイルは、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が公開してから8年の間に多く製作されてきたが、どれも大成功には程遠かった。

しかし、本作の中心である「自宅のビデオカメラ」という設定は新鮮であり、当時のファウンド・フッテージ作品ブームに再び火を付けたのも事実。

それを証明するかのように、本作は約100万円あまりの低予算で製作されたにもかかわらず、全米興行収入第1位を記録した。

2007年「REC/レック」

2007年「REC/レック」

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封鎖されたアパートで起こった伝染病の惨劇を、テレビ番組クルーの手持ちカメラ視点でとらえた映画「REC/レック」

今までは「幽霊」などといったファウンド・フッテージ作品が多く見られたが、本作のような「パニック・ホラー」は初めてであり、映画界に影響を与えた。

残念ながら「パラノーマル・アクティビティ」と公開年が同じだったことから、アメリカで大ヒットしなかったが、製作国のスペインでは大きな話題を集めた。

2008年にはDVDも発売され、アメリカのみならず日本やドイツなどで、カルト的な人気を集めたのも事実だ。

2008年「クローバーフィールド/HAKAISHA」

2008年「クローバーフィールド/HAKAISHA」

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「未知の何者か」が大規模な破壊を繰り広げ、その一部始終をビデオカメラで撮影した「クローバーフィールド/HAKAISHA」

本作は「ミッション:インポッシブル3」などを手掛けた、J・J・エイブラムス監督による徹底した秘密主義の下、「映画史上初めてタイトルを隠した映画」として全世界で話題が集中。

本作は主に「SFパニック・アクション系」のファウンド・フッテージ作品として、新たなジャンルを作り出すことに成功した。

2009年「第9地区」

2009年「第9地区」

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突然地球に難民として降り立った正体不明の「彼ら」と共に暮らす人間の困惑と、マイノリティーとして生きる「彼ら」とのドラマを描くSFムービー「第9地区」

本作は「クローバーフィールド」とは違うアクション調のストーリーを見せ、アメリカの深刻な社会問題も描いていることから、スマッシュヒットを記録。

映画界でも一味違うファウンド・フッテージ作品として、多くの評論家から絶賛された。

【ブームの終わり】2010年代のファウンド・フッテージ作品

2011年「アポロ18」

2011年「アポロ18」

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アメリカによる月面への有人宇宙飛行「アポロ計画」が中断された1970年代、極秘裏に存在したという「アポロ18号」の謎を描いた衝撃のフェイク・ドキュメンタリー映画「アポロ18」

2010年代になるとファウンド・フッテージのブームは終わりを見せ始め、多くの映画製作者たちは新たなジャンルを模索していた。

そんな中現れたのが、映画「アポロ18」だ。

物語は月面で宇宙飛行士を襲う何者かの恐怖を、実際の映像を交えながらドキュメンタリー風の作りで映し出し、再びファウンド・フッテージのファンの間で話題になった。

2012年「V/H/S シンドローム」

2012年「V/H/S シンドローム」

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ある屋敷に不法侵入した若者たちが、謎のVHSテープを再生したことで、次々と姿を消していくというオムニバスホラー「V/H/S シンドローム」

本作は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と「パラノーマル・アクティビティ」を足したような作品になっており、大ヒットはしなかったものの、ホラーファンからは大きな支持を集めた。

また、ファウンド・フッテージ作品にありそうでなかった「VHSテープ」を中心に描くことで、原点に戻った新たなホラー作品となった。

2014年「アンフレンデッド」

2014年「アンフレンデッド」

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仲良しグループが、ネットいじめで自殺した少女の怨念に襲われる恐怖を描く「アンフレンデッド」

「パラノーマル・アクティビティ」のジェイソン・ブラムが製作を手掛け、再びヒットを記録。

本作はさまざまなSNSサービスが普及した現代のネット社会を背景に、全編PCに表示されたSNSの画面だけで展開する新感覚ホラーとして、注目を集めた。

近年のファウンド・フッテージ作品

2018年「アンフレンデッド: ダークウェブ」

2018年「アンフレンデッド: ダークウェブ」

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映画「アンフレンデッド」が公開してから4年の間、映画業界でファウンド・フッテージのブームは完璧に終わりを迎えていた。

そんな中公開されたのが、「アンフレンデッド: ダークウェブ」

前作と同様に全編パソコンの画面上で展開する手法で、インターネット社会に潜む「ダークウェブ」の闇を描く。

今までは怪物や幽霊といった感情移入しにくい設定だったが、本作では真の闇は「人間」ということに焦点を当て、前作と同様にヒットした。

2020年「Host」

2020年「Host」

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ロックダウンの影響で自宅に隔離されている、友人グループを中心に次々と恐ろしい出来事が起こるファウンド・フッテージ・ホラーの最新作「ホスト(原題:Host)」

本作も「アンフレンデッド」と同様に全編パソコンの画面上で展開する手法だが、今回は幽霊や人間ではなく「悪魔」だ。

監督のロブ・サヴェージは、2020年初頭に本作の基になった短編映画を公開し、それが大きな話題を集めたことから、映画化につながった。

ありそうでなかった本作の新鮮なストーリーは、再び原点に戻った新感覚ホラーとして、注目を集めている。

まだまだ進化し続ける、ファウンド・フッテージ系のホラー作品

まだまだ進化し続ける、ファウンド・フッテージ系のホラー作品

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ファウンド・フッテージ系のホラー作品は、ビデオテープに残された映像という設定から始まり、近年ではネットを背景に描くことで、視聴者をより感情移入させている。

2010年頃にブームは一時期おわりを迎えたものの、近年だからこそファウンド・フッテージ系のホラー作品は、より進化し続けると私は思う。

VRが一般家庭に普及したら、多くの映画監督はVRを中心に描くホラー作品を製作するはず。

そうなれば、現代のホラー作品には飽きた人も、必ず恐怖のどん底に落とされるだろう。

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