映画『グレイハウンド』生死を決める艦長の<決断>そして見えない恐怖

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水中に潜む見えない敵、そして艦長の決断で決まる何百人の生死。

そういった心理的な恐怖を描くのが、2020年に公開された戦争映画「グレイハウンド」だ。

本作は第二次世界大戦中の大西洋を舞台に、アメリカ海軍の護送船団と、ナチス・ドイツの潜水艦Uボートの緊迫した戦いを描く。

こういった戦争映画はたくさんあるが、本作の注目すべきところは本物の駆逐艦(くちくかん)を使用し、今までの映画とは「リアル度」が違うことだ。

生死を決める艦長の<決断>そして見えない恐怖

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映画「グレイハウンド」は第二次世界大戦中の大西洋を舞台に、37隻で構成される護送船団「HX-25」の護衛を任された、アーネスト・クラウス中佐を主人公に物語が進む。

彼は駆逐艦「USSキーリング」の艦長であり、今回が戦時中初となる護衛の任務だった。

船団は「ブラックピット」と呼ばれる、上空援護の範囲外となる大西洋中部のエリアを通過中、ナチス・ドイツの潜水艦「Uボート」を確認。

Uボートは駆逐艦の下をすり抜けようとし、クラウス中佐はとっさの判断で爆弾を投下した。

なんとか撃沈に成功したクラウス中佐だったが、ここで一番恐れるべきは見えない敵との戦いで、艦長の「決断」で何百人・何千人の生死が決まることだ。

また、Uボートは1隻だけではなく、次から次へと出現。

駆逐艦に積まれた爆弾も底をつきようとしていたことから、経験不足のクラウス中佐にとっては恐怖そのものだったろう。

ハンクス &グレアム 。19年ぶりの再タッグ

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「グレイハウンド」で主人公アーネスト・クラウス役を務めるのは、多くの戦争映画でおなじみの名俳優トム・ハンクス

そしてチャーリー・コール役で出演するのは、映画「パブリック・エネミーズ」などで知られる俳優スティーヴン・グレアムだ。

実はこの2人、2001年にハンクスが製作総指揮を務めた戦争ドラマシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」で一緒に仕事をしており、本作の出演で19年ぶりのタッグとなった。

他にも1995年の「リービング・ラスベガス」で、インディペンデント・スピリット賞の主演女優賞に輝いた、女優のエリザベス・シューなども出演している。

トム・ハンクスのセンスが伺える脚本

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映画「グレイハウンド」で主演のトム・ハンクスは、本作で脚本も務めている。

彼は映画「すべてをあなたに(1996年)」「幸せの教室(2011年)」の脚本も務めており、本作が戦争映画の初執筆。

特に本作で私たち視聴者が注目すべきポイントは、ハンクスの「センス」ともいえる第二次世界大戦の研究だ。

劇中でクラウス中佐は、駆逐艦の近くを通過したUボートを撃沈。

映画では少しフィクションのように感じる人もいるが、実はこの戦術は何世紀も昔から行われており、もちろん実際の戦争でもこういった戦術が応用された。

他にも当時の専門用語など、トム・ハンクスが莫大な研究をしたことは明らかだ。

当時を忠実に再現したUボート。そしてウルフパック戦術

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ナチス・ドイツのUボートについても詳細に描かれており、劇中では紹介されなかったが、本作のUボートは「タイプIX」「タイプIA」をくっつけたもの。

当時、Uボートはブラックピットの水中でアメリカ海軍を待ち伏せし、多くの船を撃沈した。

この作戦は「ウルフパック戦術」と呼ばれ、本作の主人公アーネスト・クラウス中佐も大西洋でウルフパックの被害者となる。

こういったあまり知られていない歴史を91分で再現できたのは、監督のアーロン・シュナイダーと主演&脚本を務めたトム・ハンクス「センス」と言っても過言ではない。

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実際の駆逐艦を使用した撮影

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やはり映画「グレイハウンド」で最も注目すべきところは、実際の駆逐艦を使用して撮影していることだ。

映画で描かれるフレッチャー級駆逐艦「USSキーリング」は架空の船だが、本作でメインとして使用された駆逐艦はアメリカのルイジアナ州にある「USSキッド」。

この船は第二次世界大戦で日本軍と戦った。

本作では「本物の駆逐艦」を使用することによって、当時にタイムスリップしたかのような感覚に襲われる。

現代では当時に似せたセットは作れるが、やはり本物には勝てない。

それが映画「グレイハウンド」の売り。そして監督の「こだわり」だ。

他にも映画の一部シーンでは、カナダ海軍のフリゲート「モントリオール」でも撮影が行われた。

【おまけ】実際の護送船団「HX-25」について

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本作は冒険小説で有名なC・S・フォレスターが、1955年に出版した小説「駆逐艦キーリング」を基にしており、クラウス中佐は護送船団「HX-25」の護衛を任される。

実はこの護送船団「HX-25」は実在しており、1940年3月5日にカナダのハリファックスを航海し、1940年20日にリバプールに到着。

航海では船団のうち3隻がはぐれてしまい、そのうち1隻が空中での攻撃を受けた。

しかし、映画のように「ウルフパック戦術」の被害は受けていないとされる。

管理職の人なら絶対に見るべき

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水中に潜む見えない恐怖。そして、何百人・何千人の命がかかった決断。

こういった心理的な恐怖を描くのが、第二次世界大戦中の大西洋を舞台にした映画「グレイハウンド」だ。

本作の重要なポイントは「決断」であり、それによって自分を含む乗組員を失うか、仲間を安全に目的地へ導けるかが変わる。

管理職として働いている人なら、重要な決断を下すクラウス中佐に共感できるところも多いだろう。

また、「戦争」という残酷な歴史を忘れないためにも、本作の視聴は必須だ。

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