『ラースと、その彼女』奇跡の人形と青年。現代の切ないファンタジー

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町の住民から愛される内気な青年が、インターネットで買った人形と恋する。

そんな奇妙な物語を描くのが、2007年に公開された映画「ラースと、その彼女」だ。

本作には「トラウマ」「妄想」「死」など、いくつかの重いテーマが扱われ、海外ではPG-13(13歳未満は非対象)となっている。

だが、「ラースと、その彼女」には、私たちが説明できない「現代の切ないファンタジー」が隠されているのも事実だ。

現代の切ないファンタジー物語「ラースと、その彼女」

【あらすじ】内気な青年と、喋らない人形

ラースと、その彼女

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静かな田舎町に暮らすラースは、町の皆から愛される心優しい青年。

彼は職場の同僚であるマーゴに思いを寄せるものの、内気な性格からうまく会話ができなかった。

ある日、ラースは兄・ガスと彼の妻・カリンに、「ネットで知り合った女性と会わせたい」と言う。

今までラースに恋人はおらず、ガスたち夫婦はラースの初恋人に期待していた。

対面の日、ラースが連れてきたのはネットで購入した等身大のリアルドール(人形)だった。

しかも、彼は人形をビアンカと呼び、ブラジルの修道院育ちで内気な性格、英語はあまり話せず、空港で荷物を盗まれたという設定までつけていた…。

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【キャスト】ライアン・ゴズリングと無名のヒロイン

ラースと、その彼女

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少し小太りなラース役を演じるのは、映画「ラ・ラ・ランド」でおなじみのダンディーな俳優、ライアン・ゴズリングだ。

そして人形のビアンカ役を演じるのは、本物の人形…。

しかし、撮影現場でビアンカ役の人形は、本当の女優かのように扱われていたため、一応キャストとして紹介しておこう。

他にもアニメ映画「カーズ2」の声優で知られるエミリー・モーティマーや、「恋人たちのパレード」で有名なポール・シュナイダーなども出演している。

「ラースと、その彼女」の制作秘話や魅力

「奇妙なウェブサイト」から得たインスピレーション

ラースと、その彼女

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脚本家のナンシー・オリバーは、2002年にネットサーフィンをしていると、ある奇妙なサイトを見つけた。

それが本作でラースが人形を購入したような、等身大のリアルドールを販売しているサイト

彼女はすぐに脚本を書き、その5年後に完成したのが「ラースと、その彼女」だ。

ドン・キホーテと関連する妄想物語

ラースと、その彼女

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本作のラースには「ドン・キホーテ」との共通点があり、それが妄想だ。

「ドン・キホーテ」とは、とある村に住む50歳ほどの人物が、騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなってしまった物語。

ドン・キホーテは古典的なファンタジー作品として知られており、本作ではそれを現代風に描いている。

また、ラースはビアンカ(人形)に、ドン・キホーテの本を読み聞かせているのも面白い。

ライアン・ゴズリングの即興演技

ラースと、その彼女

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やはり本作の目玉と言っていいのが、パーティーのシーンだろう。

実はこのシーン、ラース役を演じたライアン・ゴズリングの即興演技だ。

ライアンは自分のお気に入りであるロック・バンド「トーキング・ヘッズ」のカセットを持ち込み、演技に挑んだ。

もともとこのシーンにもセリフはあったのだが、なんとなく撮ったライアンの即興演技を監督が気に入り、本作に採用した。

この即興演技は公開後に好評を受け、ライアン・ゴズリングの映画人生で最も素晴らしいシーンとも言われている。

暖かい町の住人たち

ラースと、その彼女

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本作が「現代のファンタジー」と言われる理由は、ラースが住む町の住人にある。

彼がビアンカを披露したとき、多くの人々は戸惑った。

しかし、「心優しいラースの恋人」としてビアンカを受け入れ、温かく彼女を迎える。

ラースが(空想上で)ビアンカと喧嘩したときも、彼女を本物の「人間」かのように扱った。

現実的に考えると、こういったことは珍しい。残念ながら、ほぼないと言えるだろう。

ただ、この「ありえない住人の温かさ」が本作の魅力であり、そのことから「現代のファンタジー」と言われている。

【ネタバレあり】「ラースと、その彼女」の考察

ラースと、その彼女

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さて、ここから映画「ラースと、その彼女」を考察していくが、本作のポイントは下記の3つだ。

  • ラースはビアンカを『人形』と認識ていたのか?
  • マーゴの存在
  • ビアンカの死

ラースはビアンカを『人形』と認識ていたのか?

ラースと、その彼女

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これは現在でも多くの議論がされているが、私はラースがビアンカを「人間」ではなく、「人形」だと認識していたと思う。

それを証明するのが、彼がドン・キホーテの本をビアンカに読み聞かせしていたシーンだ。

先ほども少し紹介したが、ドン・キホーテは妄想男の物語であり、ラースもそれを知っていたはず。

ラースは幼い頃に母を亡くし、それが自分のせいだと責めていた。

彼はそういった「トラウマ」から救われるため、正論ではなく「嘘(ビアンカ)」という優しさを選んだのだと思う。

また、本作でバーマン医師も、妄想の期限は「彼が必要とする限り」と語っている。

マーゴの存在

ラースと、その彼女

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本作では、ラースが映画の序盤で思いを寄せていたマーゴの存在も重要だ。

彼女も実はラースに思いを寄せており、すれ違いが起きていた。

ビアンカが現れてもマーゴは彼に対する見方を変えず、ラースを「頭がおかしい人物」だと思わなかった。

また、終盤でこの2人がデートに行ったとき、ラースの妄想の期限である「彼が必要とする限り」が終わったことを意味するだろう。

なぜなら、ラースは「マーゴ」という存在が、自分に必要だと心の底で気づいたから。

エンディングの意味

ラースと、その彼女

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エンディングで描かれる「ビアンカの死」は、ラースが全てを受け入れたことを意味する。

彼は優しさから自分に嘘をつき、ビアンカが「人間」だと偽ってきた。

しかし、町の住人のサポートやマーゴ。兄のガスやカリン。同僚や病院のナースまで彼を受け入れた。

皆がビアンカを愛していたため、マーゴが自分に必要だと気づいた時、ラースは「死」という形でしかビアンカとお別れるするしかなかった。

他にもビアンカとお別れする方法はあったろうが、これがラースの「最大の優しさ」だと思う。

誰もが愛する奇跡の人形と青年の切ない恋物語

ラースと、その彼女

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愛を創設し、愛に愛された男のファンタジー・ストーリー。

それが映画「ラースと、その彼女」だ。

本作はその新鮮なストーリーから、第80回アカデミー賞で脚本賞にもノミネートしている。

「ビアンカという魔法」「人間の温かさ」

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