「ブレックファスト・クラブ」全米に<寿司>を広めた青春映画の傑作

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誰の心にも、高校時代の退屈な経験をふと思い出す瞬間がある。

ただプリントを眺めて座っていただけの授業や、補修で休日に呼び出されたときなど。

あまり楽しくはないけど、一生の思い出になる高校生活を思い出せる映画が、「ブレックファスト・クラブ」だろう。

本作は80年を代表する映画の1つであり、2006年にエンターテインメント・ウィークリー誌が選んだ「最高の青春映画50」で第一位に輝いた。

2016年には「文化的、歴史的、または審美的に重要」として、アメリカ国立フィルムにも登録された名作として、公開から40年以上たった今でも根強い人気がある。

寿司をアメリカで人気にした「ブレックファスト・クラブ」

ブレックファスト・クラブ

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「ブレックファスト・クラブ」とは、懲罰で土曜日に登校を命じられた、5人の少年少女の退屈な図書館での1日を描く映画。

主人公はスポーツマンのアンドリュー、秀才のブライアン、不良のジョン、お嬢様のクレア、不思議ちゃんのアリソン

この5人はリチャード教師から、「自分とは何か?」という題名で1,000文字の作文を書くことを命じられた。

これまで赤の他人だった5人は、厳しく拘束された図書館で、自身の過去などを打ち明け徐々に心を開いていく。

本作の監督を務めたのは、1990年の「ホーム・アローン」の脚本を執筆したことで知られる、今は亡きジョン・ヒューズだ。

「ブレックファスト・クラブ」というタイトルは、ヒューズ監督の友人の息子が通っていたニュートリア高校で、休日に登校する羽目になった学生たちが付けた愛称である。

監督はそこからアイデアを得て、2日間(1982年7月4日~5日)という短さで脚本を執筆した。

本作は100万ドル(約1億467万円)の低予算で制作されたが、公開直後から若者の間で反響を呼び、全世界の興行収入は5,150万ドル(約53億9,097万円)を叩きだす大ヒットを記録。

また、劇中でお嬢様のクレアが寿司を食べるシーンは、80年代当時あまり人気ではなかった寿司を全米に広めた。

ジャド・ネルソンのいじめ

ブレックファスト・クラブ

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やはり「ブレックファスト・クラブ」で最も印象的な人物は、不良で問題児のジョンであり、彼は撮影前も問題児だったことで知られる。

ジョンを演じた俳優のジャド・ネルソンは、役になりきるため、撮影が行われたシカゴ郊外の高校に潜入。彼は当時25歳だったが、巧みな嘘を重ね他の高校生たちと仲良くなったという。

高校生たちには自身の本物のID(身分証)を偽のIDだと言い、ビールを買うなどして警察に逮捕されかけたという逸話もある。

撮影が始まるとネルソンはジョン役にのめり込みすぎて、実際にクレア役のモリー・リングウォルドをいじめ、ジョン・ヒューズ監督から降板を言い渡されそうになった。

そんなときネルソンを助けたのが、リチャード役で出演したポール・グリーソンであり、彼は監督に『ネルソンは優れた俳優だから、ジョンの性格になりきっている』と援護した。

しかし、ネルソンのいじめは非常に悪質であり、モリー・リングウォルドの盲目の父までもからかったという。

当時のリングウォルドはほぼ無名の若手女優だったことから、いじめにたいして何も言えなかったが、2018年にザ・ニューヨーカー誌である記事を書いた。

彼女は記事内でネルソンのいじめを全て暴露し、過去に悩まされた彼のセクハラなどを批判した。

また、リングウォルドは「ブレックファスト・クラブ」のラストで、ジョンとクレアが恋愛関係に発展したことについても、少し複雑な心境だと語っている。

映画史にシンボルとして残った最後の拳

ブレックファスト・クラブ

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ジャド・ネルソンのいじめは多くの人から批判される一方、彼が映画史に名シーンを残したのも事実だ。

ネルソン演じるジョンは映画の最後に、グラウンドを歩きながら右手の拳を空に向かってかざした。

このシーンは脚本になく、ネルソンの即興演技である。誰もが彼の演技を愛し、この名シーンは80年代のシンボルにもなった。

このポーズは2018年の「バンブルビー」など、本作に敬意を示して多くの映画で使われている。

「ブレックファスト・クラブ」の続編は計画されていた?

ブレックファスト・クラブ

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本作は80年代に大ヒットした後、「ブレックファスト・クラブ2」「ブレックファスト・クラブ3」といった形で、10年ごとに続編を制作する予定だった。

しかし、監督のジョン・ヒューズと、ジョン役のジャド・ネルソンとの間に衝突が起こる。

ヒューズは「ネルソンとは2度と仕事をしたくない」と語り、既に構想ができていた続編の計画は、80年代後半にお蔵入りとなった。

2008年頃には「Bumped」というタイトルで、本作のリメイク版が制作される予定だったが、全米脚本家組合ストライキによる影響で、こちらも制作中止となっている。

監督のジョン・ヒューズは2009年にこの世を去ってしまったため、残念ながら「ブレックファスト・クラブ」の続編は望めないだろう。

だが、リメイク版なら現代風にアレンジして、新キャストが演じる不良やスポーツマン、秀才やお嬢様、不思議ちゃんの退屈な土曜日が、劇場で見られる日も来るかもしれない。

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本ページの情報は2020年9月時点のものです。
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